読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

神田眞人氏による「今のままの大学では生き残れない」を読んで

high190です。
4月から新しい組織に移りまして、色々と変化が大きい時期に差し掛かっていました。そういった訳で、少しばかり忙しくしていましてブログの更新に時間を割くことが難しいこともあり、更新頻度が落ちてしまいました。これから徐々に書いていきたいと思います。

さて、大学関係のニュースも年度が替わって様々な種類が報じられている訳ですが、ここ最近で目にした記事で以下の内容に最も関心を持ったため取り上げたいと思います。


自らの問題として主体性をもって大学改革を推進する勢いが欠けていると感じます。世界はもちろん、国内も大きく変わっています。まず少子高齢化、そして人口減少。私たちの時代には18歳人口が250万人ぐらいいました。今は110万人、あと数十年で60万人とかつての4分の1になる。競争がなくなって質が低下するだけでなく、お客さんが激減するので、生涯教育、つまりおとなの学生や留学生を集めなくてはいけないのですが、教育、研究の中身が良くなければ、そもそも人は集まりません。大学の経営は成り立たなくなります。
大学は組織が硬直していて変わりにくいので、インセンティブとなる制度改正や予算配分をしていますが、国家財政が世界最悪ではおのずと限界があります。授業料だけでなく、寄付、外部との連携でもお金を集めなくてはいけない。それも教育、研究が良くなければ、誰もお金を出しません。日本の企業は研究開発に力を入れていますが、海外の大学やシリコンバレーにお金を出しても、日本の大学にはほとんど出しません。企業側の目利きに問題がないとは言いませんが、日本の大学が、魅力がないという烙印を押されているのも事実です。優秀な高校生も海外大学希望が著しく増えています。

(中略)

国公立、私立大学、それに専修学校も含めて1000校以上ある中で、どういう所が生き残っていくのか。統合も含め、ダイナミックに変えていかなければいけません。大学は特殊と言うが、特殊だから変わらなくてすむというのは間違っています。全ての業態が生き延びるために生まれ変わろうと闘っている中で、大学だけが変わらずに済むことはありえません。淘汰されるだけです。
現に、日本の大学の学位は卒業が楽なこともあって国際的な信頼性がとても低く、「価値がない」とまでいわれています。そうなれば日本に留学してくるのは、アジアの大学にも入れない底辺の学生という危険性も出てきます。

(中略)

主権国家の枠組みを含め、当然視してきた世界の秩序が壊れています。市場経済が格差を生み、民主主義も情報革命の影響もあって極めて異常な状態になっている。答えのない世界で、自分でしっかりと考えなくては生きていくのが難しい時代です。だからこそ、謙虚に古今東西書物や多様な人から学び、広い世界観をもち、妙なネットの一行に惑わされず、自分で吟味して、世界の一員として判断できる、そういう主権者になってほしいのです。それでないと民主主義を維持できません。我々は不完全な民主主義と市場経済以外に有効な選択肢を持っていないのです。未来社会を担う若者、育成の場としての大学に期待をかけています。

上記で取り上げられたように、神田氏は日本の大学に対する危機感を持っていることが分かります。神田氏は財務省の広報誌「ファイナンス」で、「超有識者場外ヒアリングシリーズ」という連載を持っておられますが、これまでも大学関係者との対談も多く行っています。*1 *2 *3 *4 *5神田氏は主計官として文教関係の予算配分を担当されていたこともあるため、国家的な観点で大学に対する危機感と期待感を持っていらっしゃるのだと思います。

強い文教、強い科学技術に向けて―客観的視座からの土俵設定

強い文教、強い科学技術に向けて―客観的視座からの土俵設定

超有識者達の洞察と示唆―強い文教、強い科学技術に向けて〈2〉

超有識者達の洞察と示唆―強い文教、強い科学技術に向けて〈2〉

さて、神田氏の意見の中で「古今東西書物」と「民主主義」というワードが出てきました。ここで意味していることはリベラルアーツ教育の充実化だと思いますが、具体的にはどのような内容を指しているのでしょうか。私なりに過去のブックマークを紐解いていたら、以下の記事を発掘しました。

上記の記事を私なりに搔い摘んでみると、コロンビアのコア・カリキュラム*6 *7では古典の読解を重視しており、科目の担当教員にはインセンティブがあること、講義の運営費用にはOB/OGからの多額の寄付が行われていることなどです。こういう記事を見ると、Alumniが機能しているなあと感激すら覚えるのですが、大学として重視すべきものを卒業生が間接的に参画することで守られているという部分には注目できると思います。恐らく日本で同様の取り組みをしているところは、ほとんど存在していないのでは?
最近、SGU関連の記事が話題になっていましたが、政府からの補助金に依存した状態で教育を行わざるを得ない体制では、コロンビア大学のようなコア・カリキュラムを半永続的に運用することは難しいだろうと思います。神田氏が言うように「今のままの大学では生き残れない」のですが、本当の意味で生き残っていくためには、「何を変えないか?」をもっと真剣に考える必要があります。*8
そのためにも、大学における財政面での独立性をいかに高めていくかが重要です。神田氏も言及していますが、コミュニティとしての教育の場を担保するための仕組み・仕掛けを大学が自律的に行いうるような政策面での誘導を期待したいものです。

*1:潮木守一先生との対談 http://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201311e.pdf

*2:村井純先生との対談 http://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201409f.pdf

*3:黒田壽二先生との対談 http://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201502e.pdf

*4:五神真先生との対談 http://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201510e.pdf

*5:天野郁夫先生との対談 http://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201601f.pdf

*6:コンテンポラリー・シビリゼーション(Contemporary Civilization)、というそうです https://www.college.columbia.edu/core/conciv

*7:2015度のシラバス https://www.college.columbia.edu/core/sites/core/files/pages/CC%20Syllabus%202015-2016_0.pdf

*8:松宮慎治さんも,こんなブログを書いています。「補助金に頼らず、自分の頭で考える」http://shinnji28.hatenablog.com/entry/2016/04/27/221509

不完全な組織の方が組織を超越する人材が出やすい、という仮説

high190です。

今日は引用文献などは無くて、high190の友人から聞いて面白いなと思った言葉をご紹介したいと思います。その友人は大学業界とは関係のない、日本を代表する企業で働く人です。
その人が言っていたことで印象に残ったことは「不完全な組織の方が組織を超越する人材が出やすい」ということです。

具体的にはどういうことなのか、と私が聞いてみたところ友人は「完成された組織では、組織の枠を飛び越えるような人材は出にくい。それは組織内で人材育成やキャリアパスなどの方向性が定まっていて、そういった組織では組織を飛び越えていけるようなイノベーティブな人材は出てくる余地が生まれにくいように思う」という回答でした。確かに規模の大きい組織であれば、そういった既存の価値を否定して新しい価値を提供できるような人材(ある意味において組織の「異端児」)は生まれにくいのかもしれません。昇進のために組織内の人々の行動は最適化され、新しいことや未踏の領域にチャレンジしようというインセンティブが働かないかも知れないかな、と思った次第です。

上記の意見を受けてhigh190が思ったことは「恵まれていない、うちの組織はダメだと思っている人にほどチャンスがあって、それを変えていけるのは自分のチャレンジ精神である」ということです。不完全な組織、いわゆる効率的な運営ができていない組織に身を置く人の方が、その中で最適化するための解を考えたりすることができます。今いる立場を嘆くのではなく、唯一の存在になることができるチャンスがあります。完成された組織=官僚制だと思いますが、これは誰がやっても回せるということを意味します。よって、不完全な組織であればあるほどチャレンジできる領域は広いのではないでしょうか。現在置かれている環境への不満ではなく、それがチャンスだと捉えられるのであれば、自分自身の能力開発にとっては朗報だとも言えるのかもしれません。

京都で開催された高等教育研究会・2015年度大学職員フォーラムに参加しました

high190です。
遅くなりましたが今年もよろしくお願いいたします。何かと変化の大きい年になりそうですが、今年も1年自己研鑽のためになるべく多くの記事を書けるように頑張りたいと思います。
今回も拝聴した内容について、簡単に所感をまとめてみましたが、理解違いなどがある可能性がありますので、悪しからずご了承下さい。


  • 主催者あいさつ:高等教育研究会・大学職員フォーラム世話人 代表 三上宏平氏立命館大学
  • フォーラムの開催趣旨・進行について:コーディネーター 中元崇氏(京都大学医学研究科教務・学生支援室)

基調講演『専門的職員』、『高度専門職』を巡る検討経緯と日本の大学職員の『専門性』 菊池芳明氏(横浜市立大学

  • これまで日本においては、「大学職員」のあり方を考える際に、「大学教員」との対比において考えてきている。
    • なお、日本型の雇用について、独立行政法人労働政策研究・研修機構濱口桂一郎*1は、メンバーシップ型の雇用からジョブ型雇用への移行に関する意見を発信している。*2
    • 例えば、アメリカの企業において、不要な部門が発生した場合はレイオフで対処するが、メンバーシップ型の雇用制度を持つ組織においては、制度の維持が最大の目的になる。
    • 異動・昇進についても日本独特の雇用慣行。ある意味「非常にうまくできてしまった」制度ではないか。
  • 大学に置き換えて考えると、職員はメンバーシップ型雇用で、教員はジョブ型雇用(極めて高度の専門性を有する)である。
    • 雇用形態が大きく異なる職種から日本の大学は構成されている。職員であってもアメリカはジョブ型。(職員と教員の関係を対比させると非常に異なる働き方である事が分かる)
  • 日経連の提言「能力主義管理・その理論と実践(1969)
    • 職能資格制度の活用。(軍隊における階級に相当)評価は顕在能力を中心にするが、潜在能力にも着目
    • ジョブローテーションを伴うメンバーシップ型人材の「職務遂行能力」は、どの程度の「専門性」を獲得できるのか?
    • あるいは、必要なのは一時的なジョブローテーションの範囲で獲得可能な専門性なのか?「専門性」の敷居をどの程度に設定するか?
    • 民間企業においても、「専門役」などの職位を運用しているが、恐らくは機能していない。ジョブローテーションでの職務遂行能力はあまり向上しない事を示唆しているのでは。
  • 大学教育部会での専門的職員の議論についての意見交換
    • 専門職についての議論。アメリカにおける高度専門職の位置づけ。
    • 意見交換に関するブレがある。教員と職員を包括するか、職員のみを独立させるのか。雇用上の処遇をどうするのか・・・など
      • 関西国際大学の濱名先生「高度専門職ではなく、大学運営職に近い」
      • 浦野委員の発言「企業では普通の総合職が行っていることを高度専門職に位置づけるのか?」という意見
    • 結論的には次期の中教審での審議に持ち越される事になった。第8期の大学教育部会では、3つのポリシーが最優先課題なので、あまり専門的職員に関する議論はなされていない。
      • ガバナンス改革審議まとめでは、「高度専門職」と「事務職員の高度化」を分けていたが、それを一緒にしてしまった事が問題。
      • 事務職員をベースとするかのような「専門的職員」は、教員に近い「高度なジョブ型」の専門家を包括、育成できるか?教員に近い高度な専門家集団は、現在の経営環境で確保できるか。
      • 事務職員と別に高度な専門家を第3の職種として設定した場合、経営者と人事部門の「スペシャリスト化」を伴わずに制度設計と円滑な運営が可能なのか。教員と事務職員の身分差が存在する(という認識)

メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への移行の観点から今後の大学職員のあり方を考えることは、以前から関心を持っていた点なので興味深く拝聴しました。菊池さんの高度専門職に関する論考は、他のWEBメディアでも読む事が出来ますので、併せてご覧いただければと思います。*3 *4 *5
また、アメリカの大学職員との比較について何度か取り上げられていましたが、以前に拝聴したLEAP参加者の方の研修報告*6でも「アメリカの大学はジョブディスクリプションが明確。アメリカには「人事異動」の概念がない。公募に応募して職を変えるというイメージ。教員もAdministrationに専念する人がいる。」というコメントがあったように、ジョブ型雇用の導入に向けては"ジョブディスクリプションの整備状況"という点がひとつの目安になります。

話題提供(1)天野絵里子氏(京都大学学術研究支援室)

  • 自己紹介
    • 元々は大学の職員。京大の図書館で勤務。2014年に京都大学学術研究支援室特定専門業務職員(URA)になった。
    • 特定専門業務職員の定義:特定専門業務職員は、特定の専門的業務に従事する。自分自身の雇用形態は時間管理。年俸制なので退職金が無く、任期がある。
    • 特定職員:特定職員は、高度な専門的知識及び豊富な実務経験を必要とする専門的業務に従事する これと比べるとURAはぼんやり
  • URAを設置する政策的背景
    • 研究者の時間的ゆとりを作る、博士人材のキャリパス的な部分を作るための役割
    • 博士を取ってすぐの人はあまり採用されない。博士学位+α。ぶっちゃけ全員が博士持ちではない。学士のみの人もいる。
  • URAとは?
    • 文部科学省の2つの政策によって整備されてきた。リサーチアドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備。
    • 専ら研究を行う職とは別、単に研究に関する行政手続きを行う訳ではない。研究大学評価促進事業。研究力強化を遂行する役目。
  • URAの業務
    • 想定されるURA関連業務(スキル標準策定)
    • プレアワード(研究戦略・企画)➡ポストアワード(運営・管理業務)
    • 企画支援・運営支援・広報支援・国際部門
    • どういう人がURAになったか。上記事業で採用されたのは251人いた。その他を含めると700人ぐらい。どういう人がなっているか:研究職が1番、事務系職員が2番。
  • 京都大学のURA
    • 第1フェーズで「学術研究支援室」を設置。
    • 学術研究支援室URA大幅増員+4部門性の導入
    • URAネットワークは京都大学内でも有機的に結びついている。入れ替わりも激しい。来年から学術研究支援室とURAなんとか室と統合される。
    • 組織・制度の壁を超えることもひとつの目標
    • 学内限定の公募型資金情報サイト、科研費書類の書き方(非売品)
    • KURA HOURの企画運営
    • URAのキャリアパス:事務職員・教員と人事交流をしながら、最終的には理事・副学長など大学運営職を目指す(どうなるか分からないが)
    • 業務はディスカッションをベースに行っている
  • 職員からURAの接続
    • 九州大学の出向から京都大学にURAとして戻るにあたって、知識の棚卸しをした。九州大学に出向している際、戻る時にどこに行こうか迷った部分もある。
      • 基盤:専門分野、学術情報、ICT、オープンアクセス
      • 思い:大学がフィールド研究支援
      • 経験:ネットワーキング、know who
      • 戦略的:仕組みづくり、業務の効率化
    • やってきたこととやりたいことを繋げる
      • 職域レベル:URAの専門性はまだ定まっていない
      • 組織レベル:組織の中でまだ定着していない
      • 個人レベル:目的は共有(新しい事が出来そう)
  • 「高度専門職」「専門性」に対する不安がある?
    • 自分の専門性に対する自身のゆらぎ
    • 将来の不確実性
    • 職域・組織・個人の枠組みで考えてみる
  • 現代の専門職・専門性
    • ひとつの課題に対して、複数の専門職が協働しながら取り組む。専門性や思いは重なり合っており、境界はあいまいになってきている
  • 組織のレベル
    • 大学のミッション、中期計画・中期目標
    • 人事計画も上記に基づいて行われなければならない。内発的動機づけ。(大切だがあまり議論されていない)
    • 異動・配属・キャリアパス・昇進、処遇給与福利厚生・評価。研修・一貫している明示されている人的資源管理
  • 大学のミッションを中心におき、専門性は個々に内在している?
    • 図書館職員の専門性はGoogleによって脅かされてきた(情報検索が大衆の手に委ねられるようになった)
  • 革新に繋がる大学職員の知識
    • 共通のミッションに向けて
    • 越境者としてのURAに期待されること
      • 人をつなぐコミュニケーション力がある事
      • 状況に応じた適切な表現が出来る人
      • 新しい仕事に挑戦しようとする人
      • 理想と現実
      • 越境するためには境界を強く意識しておく必要がある
      • 未踏領域への挑戦(これがURA専門職)

天野さんのことは以前から存じ上げていましたが、まだ実際にお会いした事が無かったので、お会いできた事自体が嬉しかったです。URAの役割・専門性などについて、まさに高度専門職として働いている方の発表ということで、内容面でも非常に充実したものでした。未踏領域への挑戦、今後の技術革新(特に人工知能)で専門性が大きく脅かされることなど、事務職員として今後どのように専門性を持って仕事をしていくかという点で重要な示唆がたくさん含まれていたと思います。
話題の中で出てきた特定業務専門職員・特定職員といった職制の業務内容・定義については、国立大学法人京都大学特定有期雇用教職員就業規則に詳細が定められています。

話題提供(2)小野勝士氏(龍谷大学文学部事務課)

  • 自己紹介
    • 関西学院大学法学研究科博士前期課程を修了し、龍谷大学に入職。経験部署は教務・法人だが、教務畑が長く、学部事務室勤務。
    • 最初は教室調整の業務を担当。他大学出身者だったので何も知らない中で担当する大変さと面白さを感じた。法人では財務部経理課にて資産運用業務を担当した。
    • これまで、教職課程に関する業務(教員免許業務)を専門的に行ってきた。教職課程は非常に多岐にわたる法規を取り扱うため、法律に関する知識が求められる。業務外で活動する機会が多い。2014年で年間約30日、2015年は16日。全て休暇を取って参加。
    • 上記の専門性を職場で活かす機会としては、学部長会にて第2期中期計画アクションプランについて、関係資料を作成し、説明を行っている。大学執行部の元におかれた時限委員会に委員長指名で参加。
  • 教職課程事務について
    • 教員免許の分野は実は体系だった本がない。大学の教員免許業務Q&A、課程認定申請の手引き−解説書−などを執筆。今後はSYNAPSEにて連載を担当の予定。
  • なぜ関わり続けているのか。
    • 2003年末に現行法での初めての免許状取得者を出した。
      • 今まで誰も経験した事が無いことなので、何もかもが分からない状況であった
      • そういった中で全国で大学のミスで免許状を出せない事例が数件発生した
      • 非常に危うい状況であることを認識
      • 異動しても経験をつないでいかないと危うい状況になる
      • 業務外であっても関わり続けた
      • 結果として詳しくなった
    • 新法の後も細かいマイナーチェンジは行われており、そういった改正に関しても継続的に注視していかないといけない。
  • 専門性に必要なもの
    • 法令を読むことを苦にしないこと(法学部出身者か、法学分野の修士号保持者)
    • 勉強好きであること
    • 法令改正等が頻繁にあり、常に情勢は変化している。自分から知識を得たいと思い学外の勉強会に自発的に参加して積極的に情報を収集できるかどうかが大事なポイントになる。(※学部時代に立法技術をゼミで学んだ)
  • 龍谷大学の職員人事制度
    • 資格
    • 資格に関するフィードバック面談内容確認シート*7
      • 優れていた点
      • 改善点、育成点
    • 専門性に必要な能力開発
      • 教員免許業務は教務業務の一分野に過ぎない。教務事務の本筋の部分を経験した上で担当するのが望ましいのでは。
      • 大学運営全体の中(財政面、教学面の両方の側面)で、教職課程のあり方がどうあるべきかを押さえておく必要。
      • 入職後10年程度までは、広く職務を経験した後、専門性を活かせる分野に特化していく事が望ましいのではないか。
  • 特定職務型スタッフ・コースを申請しない理由
    • もう少し幅広く経験してから、固有の分野を極めていくのがいいのではないか。また、特定職務型スタッフという職種を作るなら、大学全体にてどの業務に専門性が担保されるのかを把握・調査しておく事が必要なのではないか。過去の経緯を把握した上での専門職が必要なのでは。

小野さんは教員免許業務の担当者で知らない人はいない、と思われるほどの有名人です。しかしながら、これまでのキャリアで財務部経理課にて資産運用業務なども担当されていたとは驚きでした。
個人的には、これまでの業務で学校教育法や大学設置基準などの法規に触れることが多かったため、行政との接点という点で必須の知識である法律・立法技術を学ぶことの重要性という点は興味深かったです。法学部又は法学研究科出身者という点では、「行政管理を担う大学職員」という専門性の開発もあると感じた次第です。(国家公務員に近い印象を持ちます)

基調報告及び話題提供に対するコメント 徳永寿老氏(公益財団法人大学コンソーシアム京都専務理事・事務局長)

  • 元々は大学職員であったが、現在は大学コンソーシアム京都の専務理事兼事務局長をしている。
    • 大学コンソーシアム京都では、加盟大学や自治体から出向で職員を受け入れている。高度な専門性を有する職員の雇用に関して、全員をパーマネントで雇えればいいが、人件費の支出に関しては経営面での考慮が必要。
    • 例えば国際交流関係ならば優秀な人材は多数集まる。有期雇用として対応していくことが必要と思われる部分を。
    • 菊池氏の問題提起、メンバーシップ型の維持に関してだが専門性に執着すると安定を得るのが難しい。自分自身は採用時に図書館に配属されたが、他大学職員との交流する中で、他大学の専門性が高い職員と自らを比較して、能力の違いに愕然とした気持ちになった。
    • 専門性は外注化し、職能基準・資格基準を定めていくことで、将来に不安の無い形での支援が必要。加えて経営的な努力も重要。
    • 大学コンソーシアム京都では能力体系を整備し、出向者が所属大学に戻ってからも活かせるような仕組みにしている。

大学コンソーシアム京都では、出向者を受け入れるという特殊な環境のもと、どのように職員の専門性を活かしながら能力開発を行っているかという点でのお話でした。あわせて、現在の経営環境では人件費支出が重くのしかかるという経営に直接コミットされている方ならではの悩みのような部分も垣間見えて興味深いと思いました。

全体討論(パネルディスカッション)
中元さんによる整理

  • ジョブとメンバーシップの違いは無視できない(菊池さん)
  • 専門性の捉え方、ミッション課題と繋がる形(天野さん)
  • 教職免許のみが専門性として確立せず、教務・大学全体の視点などを踏まえて専門性が必要なのではないか(小野さん)
  • 20代の前半、契約職員としての採用などに関して差は出ないと思うが、30代になってからは大きな違いが出てくる。専門性に関しては部署毎のアウトソースなどについて

【質疑応答】

  • アウトソーシングをすべきでない領域、今日のような議論は変化する環境にどう適用するか、大学の役割をどう果たすかという2つのレイヤーがある。サバイバルのための適応と大学の役割というものが無自覚に対応させてしまうような点がある。自分の境遇に照らして考えると、第3の職種が成立する事は良い事だと主張するが、この議論をどのようにセッティングしているかを聴きたい。(補足)高度に専門的な業務が存在するとして、例えば図書館業務が専門的であるとして、大学組織が内製で抱える方が大学の強みを担保するという点についてはどうか。
    • アウトソーシングを全面的に同意する訳ではないが、その反面、経営面からは必要性が高まっているのは事実である。図書館の例にあるように、専門性がはっきりしていて、機能的に定められているもの。全ての大学では出来ないということがある。専門職領域が確立していくと、外部人材の活用がやりやすくなるのではないか。大学の規模・設置者などによって状況は異なると思うが、必然的に選択されてきているのが、専門職に限らず一般職員においても現状だろうと思われる。
    • 全て専任職員で賄えればいいのだが現実的ではない。アウトソーシングする部署に属する経験は無いのだが、職員はどこまでを知っておくべきで、どこまでを任せるべきなのか、という点が明確になっていないといけない。そこはコスト面だけではなく、ジョブディスクリプションにも関係する。
    • 難しい問題だと思うが、アウトソーシングには大学のサバイバルと、どこに専任職員を配置するかという問題があるが、職員側から見ると問題だと思う例が多くある。アウトソーシングすべきでない領域は各大学によって優先順位が異なると思うが、図書館はアウトソーシングが進みすぎてしまっていて、専門性について深く考えたことはあるが、一般的に図書館の専門性として理解されなかった部分もある。
    • アウトソーシングの目的だが、経費削減に主眼が置かれている。これは受託する側にとっても必ずしも幸福ではない。よって、サービスの低下は免れない部分である。あとは社会の選択の問題であろう。例えば、高等教育の公財政支出をどの程度にするかなどの命題がある。その他、教育プログラムは絶対にアウトソースできないと思う。あとは研究についてもできないだろう。よって、現在の経営環境という視点を持たないと議論にならない。専門的な職員の処遇が低い理由については、メンバーシップ型雇用の維持を前提にしていることに留意しておく必要があるのではないか。
  • 現状のままではいけないと思う。そのギャップを埋めるためにアメリカにおいては非教員職が存在している。現在の日本の大学の現状に関し、ハイブリッド型の職員がもう少し高度化していけるような仕組みが必要だと思う。議論では事務職員か専門職かという二元的な議論になっているように感じるが、その点はどうか。
    • 民間企業でも、メンバーシップ型の人数を絞り、非正規雇用を増やすなど、雇用のあり方は変わってきている。また、ジョブローテーションについても、単純な年数による異動から一定程度の経験を積ませ、適性を判断してからキャリアパスを決めるようになってきている。これは他国の競合企業の同年代社員と比較すると、能力が低くなりがちだからである。大学職員においても同様のやり方を採用していく事は可能性があると思うが、体系的に編成された教育訓練を含んでいる事が必要だと思われる。これはコースワークに似ている。特にURAなどについては、自分で論文を書く経験を持たないとAdministratorではなくAssistantになってしまうのではないかと危惧する。アメリカは教員だけではなく職員もジョブ型であり、必要な能力の高低だけであり、能力感・能力評価あらゆるものが異なっている。民間企業から転職し、複数の大学を渡り歩いてきた経験からすると、大学職員は勉強しなさすぎだと言える。具体的には大学設置基準をろくに知らない職員も多い。民間企業の社員は大学職員と比較するとまだ勉強しているように感じる。
  • アドミッションオフィサーについての研究を科研費で行っているが、どういった人材が相応しいと思うかについてご意見を聴かせて欲しい。
    • 高大接続・高大連携についての業務を担当しており、教育委員会・高校との接続などをやっている。アメリカではアドミッションオフィサーが存在しているが、日本において同様に実施できるかどうかは非常に疑わしい。国立・公立・私立の全ての大学で網羅できるかどうかは疑問。比較的自由な学風を持つ大学においても、学部の自治・専門性などの難しい側面は出てくるだろう。本来はジョブローテーションでメンバーシップで育ってきた職員がやるべきだと思うが、大学改革が進展する中で、ジョブ型を使わないといけない。あわせて大学業界を一定程度知っている人で教務・学生支援・就職支援などを多面的に捉えている人がいればできると思うが、個人的には難しいのではないかと思われる。
  • 制度を変えても運用を併せて変えていかないといけないと思うが、経営者・人事部門とのいずれを先に改革していかなければならないと考えているか。
    • 経営者と人事部門の専門性は早急に高めないといけないが、ある意味において経営者の力量次第でどうとでもなるようになってしまう。人事についても専門性は重要であり、人事部門の担当者が3年ローテーションで回すようではとてもうまくいかないであろう。専門職が専門種として確立していない段階で起こるコンフリクト。例えばアメリカでは専門職団体があり、ジョブディスクリプションが確立している。
  • 今までのイメージ以上に9割の部分で活動されていることが驚きだったが、専門性を活かした活動によって、メンバーシップの社会の人たちとの温度差を感じることはあるか。
    • 今のところ特に温度差を感じていない。そのために自分がやるべきだと思っていることは、圧倒的なパフォーマンスで本務をこなす事だと考えている。勤務時間内で業務を完結させ、体のコンディションづくりなど、他者に文句を言わせないような仕事への取り組み方を示す事だと思う。本務をしっかりやっていれば言われない。

質疑応答においても、今後の大学職員の働き方に関する重要なポイントがいくつもあったと感じました。大学職員として働いている人々が、最も関心を持つ部分は恐らく「人事」ではないかと私は思っています。大学の人事制度の非効率性については、専門性を有している職員であっても、ジョブローテーションで全く異なる部署に異動になり、専門性が断絶するなどの話は枚挙に暇がありません。では、どのようにして専門性を持った人材を活用していくかという点についてですが、これは当日参加された方々のFacebook上での議論なども拝見したところ、単純に一大学のみで変えていけるものではなく、大学のみならず日本全体の雇用制度にも関わる話で、一概に現時点でのジョブ型への移行が正しいとは言えない部分もあるように思います。*8 *9
そこで、私からご紹介したい事例があります。特定非営利活動法人実務能力認定機構が公表している「大学マネジメント・業務スキル基準表」です。最近、「大学マネジメント・業務/基礎(知識・能力)編」も公表されました。*10事務局の所在地が早稲田大学にほど近い場所であること、役員に早稲田大学の関係者が多いことを見ると、設立当初から早稲田大学が深く関わっている団体のようです。


  • 背景
    • 近年、大学経営を取り巻く環境はますます厳しさを増し、社会のニーズに応えられる大学の運営が求められています。少子高齢化に伴う大学間競争の激化、教育・研究の高度化、グローバル化に伴う国際化への対応、大学生の就職率等々の課題に対処するために、大学経営における新しい役割を担う大学職員の育成が重要になっています。大学職員の育成・評価、個人の自己啓発の活性化、組織の活性化等を推進するための各種仕組みづくりと共に、その基本情報として大学運営業務に関する知識・スキルの体系化が必要となります。
    • ACPAでは、東京大学、法政大学、早稲田大学の人事部門および各種事務部門、また人材育成の経験豊富な企業研修部門のご協力いただき「大学マネジメント・業務基準表検討ワーキング会議」を設置して大学職員業務の体系化作業を進めてまいりました。
    • 職員一人ひとりがもっている大学運営に必要なスキルの把握と育成、また個々人の能力や経験を大学運営に活かす人事政策の基本情報として、大学運営業務全体を網羅した大学マネージメント・業務スキル基準表を、各大学の組織力強化、人材育成のツールとして大学関係者にご活用いただきたいと考えております。
  • 基準表の活用状況(2015年9月現在)

まだ導入大学は少ないようですが、大学間で情報共有した上でのジョブディスクリプション整備という点で、日本国内では先行している事例ではないかと思います。大学の業務に関しても一定の標準化が進みつつあることを鑑みれば、ジョブディスクリプションの整備と併せて、ジョブ型雇用のあり方、職員の専門性についての議論が進むのではないかと思っています。とは言え、組織が職員をどう働かせたいか?ということを突き詰めないと高度専門職の活用は絵に描いた餅に終わってしまいます。
他の大学職員ブロガーによる論考が大いに参考になると思いますが、*11 *12 *13 *14私なりに考えると、職員の専門性と雇用のあり方を継続して議論していくことの必要性を感じます。今回のフォーラムで得られた示唆をもとに、継続して自分自身の専門性の開発と、大学における高度専門職のあり方に関する議論を注視していきたいと思います。

【2016/01/31追記】
当日の様子を空手家図書館員として著名なブロガーさんがまとめておられます。*15当ブログと併せてご覧いただくと、より内容が分かりやすくなると思いますので、是非ご覧下さい。

*1:http://www.jil.go.jp/profile/khama.html

*2:"特定の職務について技能を有する者を必要のつど募集、採用するという本来のあり方は影を潜め、企業の命令に従ってどんな仕事でもこなせる潜在能力を有する若者を在学中に選考し、学校卒業時点で一括して採用するという、諸外国に例を見ない特殊な慣行が一般化した"「ジョブ型正社員」と日本型雇用システム http://www.nippon.com/ja/currents/d00088/

*3:「高度専門職」の大学設置基準への位置づけについて(1)−文科省が制度化を急ぐ理由?− http://ycu-union.blogspot.jp/2014/12/blog-post.html

*4:「高度専門職」の大学設置基準への位置づけについて(2)−「高度専門職」か「専門職」か− http://ycu-union.blogspot.jp/2014/12/blog-post_25.html

*5:「高度専門職」の大学設置基準への位置づけについて(3)−「高度専門職」から「専門的職員」への変更とメンバーシップ型雇用における「専門性」− http://ycu-union.blogspot.jp/2015/02/blog-post.html

*6:LEAPプログラム参加の大学職員による研修報告を聞いてきました http://d.hatena.ne.jp/high190/20120730

*7:小野さんのブログで補足説明をしていただきました。ありがとうございます。「大学職員における高度専門職の議論をめぐって」http://blog.livedoor.jp/masashi_ono/archives/1050350584.html

*8:例えば、アメリカでIRerとして活躍されている柳浦猛さんは、アメリカでも中級レベルのIR人材を確保する場合でも、「高等教育内外から広く人材を集められる人事制度が不可欠」「任期付きの採用では人は集まりづらい」「給与システムの見直し」などを指摘しています。 http://goo.gl/U5jPwR

*9:大和総研経済調査部・主任研究員溝端幹雄「大学教育の質が高まらない理由」 http://www.dir.co.jp/library/column/20160112_010512.html

*10:大学マネジメント・業務/基礎(知識・能力)編 http://www.acpa.jp/kijun/management2.php

*11:高度専門職の検討に思う〜いったい何が良くなるのか〜 http://kakichirashi.hatenadiary.jp/entry/2014/12/17/230911

*12:高度専門職の能力水準に思う〜スペシャリストはどのように働くのか〜 http://kakichirashi.hatenadiary.jp/entry/2014/12/18/203232

*13:専門的職員とはこういうことか http://dai-staff.hatenablog.com/entry/2016/01/12/225924

*14:大学規模に応じたハイブリッドな専門的職員は必要か http://as-daigaku23.hateblo.jp/entry/2015/12/24/120000

*15:大学図書館員の専門性って何やろね・・・?(高等教育研究会の大学職員フォーラムに参加して) http://karatekalibrarian.blogspot.jp/2016/01/blog-post_30.html

「東京大学大学院大学経営・政策フォーラム」に参加してきました

high190です。
10月17日(土)に東京大学本郷キャンパスで開催された標記フォーラムに参加しました。今年の3月に大学経営・政策コース*1の設立10周年記念シンポジウムに参加しまして、*2その際の議論が非常に興味深かったので、ホームカミングデイという若干場違い感がある中でお邪魔してきました。今回も内容について、簡単に所感をまとめてみましたが、理解違いなどがある可能性がありますので、悪しからずご了承下さい。


修了生コーストークセッション:修了後のキャリアと大学経営・政策コースでの学び
大学経営・政策コースでの学びとコース修了後の活動とのレリバンス、今後のコースに期待する教育内容について、コース修了生とコース現役教員によるトークセッション。

当日はコース修了生の方がパネリストとして4名登壇され、コメンテーターとして大学経営・政策コースの福留東土准教授*3が出席されていました。パネリストの皆さんは、氏名・所属が事前告知などで非公表でしたので、本ブログでも匿名にて取り扱いたいと思います。簡単に触れますと現職の大学職員が2名、大学職員から大学教員に転職された方が1名、企業勤務の方が1名です。司会進行もコース修了生の方が担当されていました。

トークセッション・テーマ1〜大学経営・政策コースの教育プログラムについて〜

  • 修了生調査の結果と論点整理
  • 【コースワーク】
    • 大学経営・政策コースでは、多種多様な科目が開講されているが、科目によって満足度に段差がある。講義内容によって修了生の「学習の満足度」「職場等での有用度」に程度の差がある。
  • 修士論文
    • 修士論文を修了生は重視する傾向が高い。ただ、その反面、有用度はあまり評価されていない。この点を明らかにできれば。教育目的と手段が合致しているかを議論したい。
    • コースに入って驚いたのは「大学の歴史」を学んだことだった。そもそも、実践的なことを重視するのだと思っていた。また、統計学も学んだ。数字を扱う事には苦手感があったが、大いに役立った。その他の印象深い授業では外部講師から高等教育の最前線の情報を得る事ができ、理論と実践の両方を学ぶことができた。正直なところ「学びたい」気持ちより「入学したい」という思いが強く、カリキュラムを見ずに入学したぐらいだった。修士論文は辛かったが、集大成として書き上げた。
    • 自分は大学職員ではなく企業勤務なので、入学の動機は異なる。企業人の目線で、ある地方の大学を訪れたとき「何故、こんなところに大学を作るのか」「そもそも学生は来るのか」など、素朴な疑問を感じた。大学の現場を回るうちに、大学を作る際には様々な政治的意図が組み合わさっていることが分かり、本コースに入学することで分かる事ができるようになるのでと思った。
    • 元々、東海地区の私立大学で働き、その後に関東地区の私立大学で職員として働いたが、最初の大学では学部等の設置認可申請業務を担当した。*4 *5 *6 *7その際、「設置の趣旨」を書いたが、学内の教員にかなりコテンパンにされた。そういう部分に対する反骨精神もあって入学を決意した。ただ、入学後には修論テーマでコテンパン(先行研究がない、研究する意味が無いなど)にされたが、そのことを通じて自らの研究能力の無さに気がついた。
    • 大学職員になる前は民間企業で働いて、その後に母校に戻って職員になった。教務部で働いたが、知識の足りなさを感じるとともに職場の先輩が本コースに通っていることを知ったので、まずは科目等履修生として1年間学んだ。入学してからは様々な背景の学生が集まって、他流試合を行うような形だった。テーマを与えられ、グループワークなどを行って、圧倒的な知識量の差に気づき、もっと学びたいと感じるようになった。私立大学に勤めているので、私立大学が今日に至るまでの経緯等を知る事が役立った。
  • 【質疑応答】
    • 教員・同僚に対して、という入学動機があったが、学生に対しては何か意識が変わったか。
      • 学部時代は卒業までに至る事が一番大事だった。しかし、社会人になって「何故学ぶのか」「何のために学ぶのか」ということを改めて自分自身が感じて、学生と接する際に「学ぶことの意味」を端的に説明できるようになった。
      • 管理系の仕事が主だったので、学生との関わりが少ない仕事だったこともあって、あまり変わらなかった。
      • 学生と窓口で対応すると「声の大きい」学生だけの意見を取り上げていいのかという疑問が生じた。研究テーマは「学習成果分析」だったが、勤務先は学生数が多いので、個々の学生と話すのではなく総体として見ていくことが大切であると思っている。その際に教学データなどとの統合等を行い、分析することが大切である事に気がつくようになった。
  • 【福留先生コメント】
    • コース長の山本先生が必ず説明会で言うのは「うちのコースは専門職大学院ではありません」という意見。修士論文を必ず求めているのは、そのような背景がある。登壇されている修了者は金子元久先生*8時代の修了生だが、現在、自分が授業する前にも「この授業は必ずしも実務に役立つ訳ではない」ということを伝えてから授業をすることが多い。しかしながら、例えば自分が担当する大学の国際比較では、他国の大学は制度面でも教育内容も大きく異なる中で、その知識を得る事によって自らの中で「大学のイメージの転換」を行う事ができることに繋がる。
    • 修士論文については大きく2つの観点から重要。大学について自分の手で知識を作り出す、自分の関心を具体化することを取り組んで「形にする」ことが大切である。知識を吸収するだけではなく、自分の中での体系化ができる。大学の目的は教育と研究である。そのプロセスがどのように行われているかを職員自身が知る事ができる。学術が出来上がる過程を知る事の重要性。
    • また、修了生調査に「他大学や官庁でのインターンを取り入れるべき」という意見もあるので、実践的なプロジェクトなどを今後取り入れていくことも考えられる。実際には在職者が入学してくることを想定しているが、ストレートマスターに対応するプログラムも考えられる。専任教員がカバーできない実践性を伝える講義については、知見と実践を兼ね備えた実務家教員を外部講師として招聘する事で対応している。実務と理論をどのように架橋していくかが重要だと思う。
  • 修士論文についてのパネリストからの補足】
    • 元々、理工学部図書館で仕事をしていた。情報を提供する立場としてはできていたが、自ら研究することによってさらに質の高い情報を提供できるようになったと感じた。例えばアメリカの大学での図書館司書は、図書館情報学と自らの専門分野とで学位を保有している。先ほども話のあった「学術」という点について、そのために支援することをどうするのか、という点で大いに役立った。修士論文の執筆は大変だが、これは決して体育会のしごきのように『自分もキツかったんだら、後輩にも同じ苦しみを味わわせる』というものではなく、知的生産の仕組みを知り、学術のクオリティーを保つために不可欠なのだと知った。
    • 休日に修士論文に没頭するという学生ならではの経験ができることは、修士論文を各意義ではないか。修士論文はバラバラの要素を組み合わせて作り上げる「自分の宇宙」である。今残念に感じるのは、多忙だったので先行研究のレビューができなかったのが悔やまれる。
    • 修士論文は、現在の教員としての仕事には役立ったが、当時の職員としての業務には寄与しなかった。ある意味で修士論文を書き上げることは「ファカルティ同質性の向上」である。大学を構成する教員と職員の同質性を高める事で、教職協働を深化させることができるのではないか。
    • 入学する段階、論文を書いている段階では「何故書かなければならないのか?」と思っていた。1年時は講義科目が中心で新しい知識を得るが、論文は限定的な領域で掘り下げていくことが必要。掘り下げる事は苦痛ではあったが、書き終わってみると書いている知識そのものが有用ということもあるが、形にすることを通じて得られる複合的な知識が得られること、先行研究にあたってみて検証すること、検証過程をまとめる技術、説明する技術はこれからの仕事にも役立つ有用な経験だと感じた。

トークセッション・テーマ2〜コースでの学びと修了後のキャリアについて〜

  • この中では修了後に職を変えた方は1名だが、昇進・昇格以外にもどのようにキャリアの影響があったかを討議する。
  • 【コースでの学びと修了後のキャリアについて】
    • 修了後も同じ職場・同じ部署なので変わってはいないが、教学IRを担当する事になった。そのきっかけは、修士論文を書き上げる際に教学担当副学長に依頼して教学データを活用させてもらい、最終的に論文を書き上げた。その過程で副学長と議論する機会を得て、研究内容を延長するような形で教学IRを担当するようになった。
    • 修了当時は関東地区の私立大学総務部に在籍していたが、昇進試験を受けたこともあって係長に昇進した。しかし、あまり給与面では変わらなかった。シグナリング効果もあると思い、当時の職場でIR室を作る際に大学院で得た知識・経験が活かされ、その経験を活かして現在の職を得ることに繋がった。これからの大学では高度専門職の働く枠が増える、増えていって欲しいと思っている。
    • 大学院を修了したことで勤務先企業の会議で話が通りやすくなった。高等教育を学ぶことによって、外部の人間も認めてくれるようになった。自分自身が女性なので「仕事を続ける」シグナルを発する事にも繋がった。
    • 適当な論文を書かせない、という役割を図書館司書に拡大したい。単に情報を提供するだけの存在からの転換が必要。修士論文の内容をベースに「IDE-現代の高等教育」*9に投稿し、日本高等教育学会での学会発表などを経験した。発表すると反響が返ってきて次のステップに繋がっていく。発表などを繰り返していくことで、徐々に研究歴が増えていく事になり、縁があって他大学で非常勤講師を担当することになった。このような積み重ねを繰り返す事で業務のステップアップとともに、学び続ける事で自分ができること、やりたいことをできるようになっていく。
  • 【質疑応答】
    • 素朴な疑問だが、大学院進学を職場にはどの程度オープンにしていたか?
      • 出願要項を見ると分かるが、通学には上司の承諾が必要で「学業に専念させる事」という一文が入っている。変な話、仕事をしながら研究を並行して行うので大変だが、職場の理解を得られるようにしていた。どうしても講義に出られない時は同級生にノートを貸してもらう、追試験を組んでもらうなどの対応をしていた。自費で通学したが「大学の金で行った」とか「仕事に穴をあけた」と言われないように気をつけた。
      • 大学を顧客とする企業勤務のため、反対されるだろうと思っていたが、その通りに反対されていた。(企業は売り上げを上げてなんぼ、の考え方)大学経営・政策という学問分野に対しての理解がなかったのである。上司の上司までに話を持っていくことで承諾してもらえた。
      • 職場には受験する際には言わず、合格してから承諾を得にいった。上司も了解してくれたが、当時、管理部門である総務部だったので、時間的な余裕があったことも大きかった。
      • 職場に通学している先輩がいたので、職場側の理解はすぐに得られた。ただ、仕事をしながら通学するので、仕事に穴をあけないように気をつけ、体調的にも大変だったが、得るものは大きかった。大学院は図書館を使えるので、非常に学びに繋がる環境に身を置く事が出来る。

総括

  • 【福留先生コメント】
    • 修了後のキャリアは教員にとっても重要なテーマだが、コースを修了して転職するということはあまり一般的ではない。日本の大学の慣習などに依存しているから。修了生がコースで学んだ成果としては、外形的な評価ではなく内面での力量が高まるということが重要である。コースで学ぶ2年間は非常に重要なものだが、それだけで終わるものではない。修士論文で取り組んだテーマを継続して発展させることが大切なので、その点を修了生に期待したい。あわせて、学んだ内容を職場に還元していくことも重要。
    • なお、転職・キャリアアップは一般的ではないとは言ったが、実際に転職する人も入れば学内でキャリアアップしている例もある。日本の大学でも教員と職員の間で働く専門職・戦略的なスタッフとして、自律的な仕事ができる役割が増えてきている。IR、URA、国際交流コーディネーターなどの職種。こういった仕事を想定しながら学ぶことも大事。
    • 特定の戦略的ポジションに関わるための科目をカリキュラムに組み込んでいくことも始めており、IRは大学評価・学位授与機構の森利枝准教授*10に依頼している。また、当コースに欠けているのは学生関係のプログラムであり、アメリカでは専門のサーティフィケートも存在している。*11職員としての実務経験が働くことに役立つ、高等教育の大学教員に関するキャリアも変わってくるかも知れない。アメリカではフルタイムで働く人がマスター、Ph.Dを取得してキャリアアップしていくルートがある。そういう意味での研究者養成などにも繋がるのではないか。
  • 【パネリストからのコメント】
    • 一番の財産だと思っているのは、勤務先の職位・年齢に関わり無く、修了者間のネットワークができていることである。これは目には見えない財産だが、自身は先行研究調査などの講義をボランティアで行っている。よって後輩とも繋がっている。また、教員との繋がりに関しても大きい。例えば学会発表に関して教員と一緒にリハーサルを行ったり、論文投稿の前に簡単に査読して下さったりなど、修了後にも「一人の弟子」として扱ってもらえていることは大きな財産である。
    • 所属企業ではリサーチも請け負っているが、修了生調査の回収率が70%以上なのは凄いと思う。通常の卒業生調査では25%程度。帰属意識の強さを感じる。
    • 今後に進学を考えている人に伝えたいことは、先ほど福留先生がおっしゃっていた学生関係の研究領域が抜けている点について、先日ペンシルベニア州立大学に行った際、学生支援アドバイザーという仕事がある事を初めて知った。またこれから大学入試も大きく変わるので、入試に関わるプロフェッショナルなども目指して欲しい。
    • たまたま自分が入学した期は男性だけだった事もあって、学内だけに留まらず、プライベートでも人的な繋がりが出来たことは非常に大きい。人脈形成という面では大きなメリットがある。また、修了生でも夏の海外研修プログラムに参加できる、修了後にも勉強会で発表できるなど、修了生に対する支援体制も非常に充実していることは、特筆して良い部分ではないかと思う。
    • コースワークと満足度のねじれが分かったのが調査結果だったが、各登壇者はそれぞれが解決しているように見えた。そのための政策立案能力の形成が必要であるということが分かったかと思う。修士論文を重視する理由はここにある。これから大学設置基準の改正などでますます職員の役割の重要度が増してくる事は間違いが無い。そのためにも当コースでの学びを活用して欲しい。

総括のコメントを聞いていて、どこかで同じようなコメントを読んだことがあるように感じたので調べてみたのですが、一橋大学米倉誠一郎教授がハーバード大学に留学していた際の思い出を書かれた記事を読んだ際、目にした内容と似ていたので以下に引用します。


話は逸れるが、僕はアメリカのPhDやMBAで学ぶ知識はそれほどたいしたものではないと思っている。ただ、これらの学位に意味があるとするならば、「あれだけ辛いことを出来たのだから、自分に出来ないものはない」と思わせる限界努力関数の証明と、「同じ釜の飯を食った仲間」の存在だと思う。だから、今でも大学院時代は楽しかったと思い出せるが、「もう一度やる?」と聞かれれば、即答で「ノー」。

登壇された修了生の方々からのお話を聞いていて、私が一番強く感じたことは「学んだことをどのように活かすかを今でも模索し続けている」という点です。学位を授与する大学は学位の質保証を行わねばなりませんが、学位を得るということは、その人自身の能力に関して一定の質保証がなされていると世の中的には捉えられると思います。もっと具体的に述べるとすれば、大学院を出ているだけの高度な能力を示すことができなければいけないということです。今回登壇された4名は非常に優秀な方々だと感じましたが、学び続ける姿勢を持って活動されている姿に感銘を覚えました。行って終わり、ではなく研究を続けるということは大切ですね。ブログも同じだと思っているので、書き続けることの大切さを改めて認識させられました。また、修士論文の執筆については皆さんが苦労を述べられていたところに注目しました。上記の米倉先生の記事にも「限界努力関数の証明」という言葉が出てきますが、やり遂げるというプロセスを通じて自分自身の成長を実感できることが、論文を書くことの意義のひとつなのかなと。
私自身は大学院で学んだことはないですが、通いたいという気持ちは持ち続けてきました。しかし、自分が追求したいと思う研究テーマを決められるまでは、大学院に進学するのではなくサーティフィケート・プログラム*12 *13を受講したり、科目等履修生として学ぶ程度でもよいのではないかと考えています。また、私は天邪鬼なので違った観点から大学経営・高等教育にアプローチしてみたいという思いもあります。いずれにしても、自分自身の中で大学院進学というものを再度考え、整理しようというモチベーションをいただいた素晴らしいトークセッションでした。今後も同種のイベントなどがあれば参加してみたいと思います。

*1:東京大学大学院教育学研究科 総合教育科学専攻 大学経営・政策コース http://ump.p.u-tokyo.ac.jp/

*2:東京大学大学院教育学研究科大学経営・政策コース設立10周年記念シンポジウム「大学経営・政策人材と大学院教育」に参加してきました http://d.hatena.ne.jp/high190/20150403

*3:スタッフ紹介「福留東土准教授」 http://ump.p.u-tokyo.ac.jp/faculty/cat221/

*4:私も設置関係業務を担当したことがあります。提出書類の作成の手引き、事務担当者説明会資料、大学設置室のWebサイトなどを参照するとイメージしやすいかと思います。

*5:大学の設置等に係る提出書類の作成の手引き http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/tebiki.htm

*6:大学設置等に関する事務担当者説明会 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/1289295.htm

*7:文部科学省高等教育局高等教育企画課大学設置室 http://www.dsecchi.mext.go.jp/

*8:現在は筑波大学大学研究センターにいらっしゃいます。 金子元久特命教授 http://www.rcus.tsukuba.ac.jp/center/staff/staff_kaneko.html

*9:IDE大学協会の出版物 http://ide-web.net/newpublication/blog.cgi?category=001

*10:森利枝准教授 http://www.niad.ac.jp/n_kikou/soshiki/kyouin/kenkyu/1178258_1891.html

*11:ちょっと探してみましたが、カナダのトレント大学に類似のプログラムがあるようです "Student Support Certificate" https://trentu.ca/studentaffairs/certificate.php

*12:筑波大学・Rcus大学マネジメント人材養成プログラム http://www.rcus.tsukuba.ac.jp/program/index.html

*13:東北大学アカデミック・リーダー育成プログラム http://www.ihe.tohoku.ac.jp/CPD/lad/program_2015.html

Times Higher Educationの世界大学ランキング2015-2016が発表されました

high190です。
毎年恒例のTimes Higher Educationの世界大学ランキングが公表されました。「スーパーグローバル大学」など、日本の大学はどのような順位になっているでしょうか。過年度の結果はこちらからご覧いただけます。*1 *2 *3 *4


タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(Times Higher Education、THE)は9月30日(現地時間)、2015年の世界大学ランキングを発表した。1位は5年連続となるカリフォルニア工科大学だった。東京大学は2014年の23位から大きく順位を落とし43位、京都大学は2014年59位からさらに順位を落とし88位となった。
THEによる世界大学ランキングは、英国QSやサウジアラビアCWURによる世界大学ランキング、上海交通大学の研究センターによる「世界大学学術ランキング(ARWU)」とともにに世界で注目を集める世界大学ランキング。評価基準は、「教育」「研究」「論文被引用数」「産業界からの収入」「国際性」の5つ。世界の大学のうち、800大学をランキングで発表した。
トップ10には、2014年同様に英国または米国の大学が多数ランクイン。結果、1位は5年連続のカリフォルニア工科大学で、2位にオックスフォード大学、3位にスタンフォード大学が続いた。2014年に2位を獲得したハーバード大学は、6位に順位を落とした。英国と米国以外では、スイスのチューリッヒ工科大学(ETHチューリッヒ)が2014年13位から順位を上げ、9位にランクインした。
文科省が2014年9月26日に「スーパーグローバル大学(SGU)」を採択して以来、世界大学ランキングトップ100入りを目指す「トップ型(タイプA)」13校のランキング結果が注目を集めてきた。タイプA13校のうち、トップ100にランクインしたのは東京大学(43位)と京都大学(88位)の2校のみ。そのほか、201位から250位に東北大学、201位から250位に東京工業大学、251位から300位に大阪大学が続いた。私立大学では、慶應義塾大学が501位から600位、601位から800位に早稲田大学が入った。
国内の大学にとって、THE世界大学ランキングの評価基準で高評価を得るには「国際性」の基準で評価されることが最重要課題となる。東京大学は2012年に27.6、2013年に29.6、2014年に32.4と徐々に得点を上げてきていた。しかし、2015年の本ランキングでは30.3と、2014年と比較して2.1ダウン。文科省のスーパーグローバル大学として期待を背負っていただけに、ネット上では2015年の結果を残念がる声があがっている。なお、京都大学も、東京大学同様に「国際性」評価は2014年29.0から26.1に下がった。
2015年の主要な世界大学ランキングがすべて出揃った。今後のスーパーグローバル大学の取り組みには、更なる期待が集まるだろう。

◆THE 世界大学ランキング トップ10

◆ランクインした国内の大学(掲載順)

日本国内では東京大学が首位にランクされていますが、2010年には香港大学にアジアトップの座を奪われ、翌年にはアジア圏での首位に返り咲いて数年間トップを維持してきました。しかし、今回は26位のシンガポール国立大学、42位の北京大学に次ぐアジア3位という結果に終わりました。*52013年の安倍首相による「日本アカデメイア」スピーチでは「今後10年で、世界大学ランキングトップ100に10校ランクインを目指します」との宣言がありましたが、今年のランキングでは東京大学京都大学の2校のみが100位以内にランクインしたという事実、苅谷剛彦オックスフォード大学教授によるスーパーグローバル大学への批判など、*6大学ランキングから見ると、日本の大学のプレゼンスは上がっていないという厳しい現実を突きつけられた結果ではないかと思います。また、昨今の大学改革の影響(競争的資金の活用、国立大学法人の運営交付金の削減など)によって、研究者が研究に避ける時間が削減したことにより、論文数の減少が著しいとの指摘もあります。*7 *8 *9
そこで、代表的な大学として東京大学のランキング構成数値の推移を見てみることにしました。使用したのは2010年から2015年までの6年分のデータです。(うち、Industry Incomeは2010年分はデータが無いので0になっています)

よく問題になるInternational Outlookですが、徐々にではありますが改善している様子が分かります。反面、論文引用数を示すCitationsが今年大幅に下がっていること、研究力を示すResearchが2012年から下がり続けていることが分かります。Citationsが今年下がったことについては、昨年度までトムソンロイターのWeb of Scienceを使用していたのを、今年からエルゼビアのScopusに変更したことによるのではないかと推察します。*10この辺りはあまり詳しくないので、電子ジャーナルなどの専門家の方による解説を待ちたいところです。こちらの解説だと分かりやすいかな?*11ただ、研究力を示す指標が下がり続けていることは、先に記述した論文数の低下とも関係があるので、今後の我が国の科学技術政策を考える際の視点として、目を配っておかなくてはならないように感じます。
その他、昨年度までは500位までの大学を公表していたのですが、今年からは800大学まで対象が広がったようです。私立大学でも慶應義塾大学順天堂大学近畿大学昭和大学上智大学東海大学東京理科大学早稲田大学がランクインしました。こちらも来年度以降にどうなっているかを注目していきたいと思います。

結果の英語版は以下からご覧いただけます。

*1:Times Higher Educationの世界大学ランキング2014-2015が発表されました http://d.hatena.ne.jp/high190/20141003

*2:Times Higher Educationの世界大学ランキング2013-2014が発表されました http://d.hatena.ne.jp/high190/20131003

*3:Times Higher Educationの世界大学ランキング2013-2014が発表されました http://d.hatena.ne.jp/high190/20121005

*4:Times Higher Educationが2010年の世界大学ランキングを発表 http://d.hatena.ne.jp/high190/20100917

*5:世界大学ランキング 東大 アジア首位から転落 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151001/k10010254801000.html

*6:スーパーグローバル大「外国人教員等」 実態は経験浅い日本人 http://www.nikkei.com/article/DGKKZO92094740V20C15A9CK8000/

*7:これはやばすぎる:日本の工学系論文数はすでに人口5千万の韓国に追い越されていた!!(ある医療系大学長のつぼやき) http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/66fda06802e29f013e26f5d41f769b01

*8:いったい日本の論文数の国際ランキングはどこまで下がるのか!!(ある医療系大学長のつぼやき) http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/2b1307b461f2ed4d9c5bb8d13e31ae89

*9:運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究〜国際学術論文データベースによる論文数分析を中心として〜 http://www.janu.jp/report/files/2014-seisakukenkyujo-uneihi-all.pdf

*10:World University Rankings 2015-2016 methodology https://www.timeshighereducation.com/news/ranking-methodology-2016

*11:ScopusとWeb of Science:引用データベース収録ジャーナルの選定基準について(室蘭工業大学附属図書館・学術情報最前線) http://www.lib.muroran-it.ac.jp/gakujo-saizensen/news.html#news13

平成27年度第19回大学行政管理学会定期総会・研究集会に参加しました(2日目)

high190です。
関西大学で開催された大学行政管理学会の定期総会・研究集会の2日目(9/6)の参加記録です。1日目はこちらからご覧下さい。*1今回もhigh190が参加したセッションについて、所感をまとめてみました。理解違いなどがある可能性がありますので、悪しからずご了承下さい。なお、総会に関するツイートをtogetterでまとめて下さった方がいますので、こちらもあわせてご覧下さい。*2

第19回定期総会・研究集会(出典:大学行政管理学会Webサイト)

1.分科会「学外のSDに意味はあるのか?-最もコストの高い「大学院進学」を話題に-」

各登壇者のプロフィール紹介。大学院に入学した理由。

  • 関西学院大学 渡辺 絵里 氏
    • 大学職員になりたい、と思って就職した訳ではなかった。
    • 仕事が合わない事から退職を考えた事もあったが、現在の部署に異動してきた時点で、桜美林大学大学院に進学する事を決意。業務に直結するスキルが得られるか否か。考え方を学べる。
    • 大学院で学んだ事が業務に直結するか否かは、担当業務によって異なるが、学外ネットワークが広がるきっかけになると思う。
  • 中央大学 梅澤 貴典 氏
    • 日本私立大学図書館協会の米国研修で刺激を受けて、東京大学大学院に進学する事を決意。
    • 大学院に進学してから、基礎知識を学び、俯瞰的に物を見る事ができるようになり、調査の設計やデータの分析を学ぶことができる。研究手法を学ぶことができ、知識の体系化に繋げられるようになった。職員として研究の視座を得られる事は、大学での仕事に大きく役立つ。*3
    • また、大学院で研究する内容は広すぎるテーマではなく、内容を絞って研究テーマを設定するといい。
  • 京都大学 中元 崇 氏
    • 大学院に進学することの意味付けについて、お話をしたい。他の登壇者の方と違って、就職の時点で修士号を得ており、職員になってから名古屋大学博士後期課程に進学した。大学院に進学する事の意味はあるが、ただし、それは当人及び職場・組織が相応の意味づけを行うことが必要。
    • 「絶対的コスト」と「相対的コスト」を考えなければならない。大学院に進学する事については、職場での仕事内容・レベルに引きずられる部分がある。
    • 大学職員の企画立案能力については、大学設置基準の大綱化によって90年代から徐々に求められるようになってきた。職能開発としての大学院進学に関し、職場からの理解が得られるかどうかは大事。
    • SDが多様化している「往々にして無秩序なダイバーシティ」SD/職能開発での「たまたま」問題。偶発的なキャリア形成。
  • 名城大学 森 康介 氏
    • 文学部を卒業し、中近世ドイツ文学を学んでいた。現在は名城大学大学院にて学んでいる。進学動機は「学生に学びを実行してもらえる職員になりたい」
    • 大学院進学による生活スケジュールはどうしても厳しくなってはしまう。学びと仕事を両立させる点については、どうしても時間的な制約があるので学習時間の確保を第一に置くことが必要である。
    • 大学院に進学して、情報の扱い方が変化した。精査、組み合わせ、リフレクション。
  • 京都文教大学 村山 孝道 氏
    • 寺の息子に生まれて、佛教系の大学に通い、佛教関係の大学に就職してプロパー職員として就職した。
    • 大学コンソーシアム京都のアドミニストレータ研修をきっかけに、職場の教職学イベントでの発表で「やる」「やらない」の選択肢が目の前に現れたら、「やる」を選択しようと思うようにと発表した。そして同志社大学大学院総合政策科学研究科に進学。
    • 家族を持っていると、ワーク・ライフバランスではなく、ライフ・ライフバランスになる。家族のことも大切にしないといけない。複眼的思考が身に付く事は重要だろう。専門性とメタ視点を持った職員。「やる」を選んでからどうやるかをゆっくり考えればいい。

【全体討論】

  • 職場・家庭の理解、折り合い
    • 職場・家庭からは特に意見などはなく、背中を押してもらえた。
  • 新人職員が大学院に通う際に、職場の理解は得られたか
    • 特にコメントなどはなく、職場の中でも背中を押されることが多かった。
  • 職場での理解を得るために、職場内でのコミュニケーションなどで気をつかっている部分はあるか
    • 通信教育課程なので、それほど通常業務には影響がないが、スクーリングなどに参加する際、職場内で調整して対応している。職場として、送り出す際に業務に支障を来たさないような仕組みなどを整備しておく事が大切ではないか。
  • キャリア焦燥感:大学院に通うと思うことはおかしいか?
    • 出願の段階で、研究計画書などをどう書けば良いかなどで迷っている人も多くいると思うが、登壇している人でも、ひとりとして出願時の研究計画書のままで修士論文を書き上げた人はいないと思う。
    • 大学行政管理学会に来るようになってから、焦りを感じるようになった。現在、大学院に通っており、高等教育に直結するものではないが、そういう部分で焦りの気持ちを抱くようになった。自分の責任において大学院で学ぶのだから、自分の責任において対応しなければならない。
  • 大学図書館に関する研究をして、どんな成果が大学にもたらせたか
    • 情報リテラシーに関する研修などを実施し、大学院で得られた知見を職場に還元するようにしている。*4 *5
  • 大学側の人材育成に関する投資に関する考え方
    • もっと大学側も職員の育成に関して、育成に関する投資を行うべきではないか。大学院進学などに関しても、費用負担などを行っても良いのではないか。
    • 費用面での負担軽減も大切だが、一番重要なのは、仕事をしながら履修することの時間的制約なので、その部分の負担軽減・職場の理解を得る体制整備が必要ではないかと思う。

ある意味、今回の研究集会に参加して一番興味をそそられたのが、この分科会のテーマでした。大学職員にとって大学院進学の意味とは?というテーマは、現在、中教審で議論されている高度専門職やSD義務化の話とも繋がります。私自身、ブログを書き続けることがSDになると思って続けてきていますが、登壇者の方々のお話を伺って、働きながら大学院に通うことの大変さが伝わってきました。その反面、マルチタスクをこなすための練習としてはいい機会なのかも知れないとも感じました。また、質疑応答でもフロアから色々な意見が寄せられましたが、個人的には現在においては、職員で大学院に通う人は「変わった人」「勉強熱心な人」という形で捉えられているように感じ、まだ一般的ではないということです。しかし、大学院に通うだけではなく、変わったバックボーンを持った人が多くいて、多様性のある環境を作っていくことこそ、これからの大学には必要なのではないかと思います。硬直的な発想や組織文化を打ち砕くためには、異なる文化に触れ、吸収した人を多く組織に迎え入れる・または内部で育成していく必要があります。もちろん、自学のミッションを浸透させることによって、多様な人々の集団凝集性*6を高める工夫を怠ってはいけないと思いますが。そのためにも大学院進学は魅力的な選択のひとつではないかと個人的に感じているところです。
これは私見ですが、登壇された皆さんの専攻分野は高等教育が中心(政策科学を専攻されている方がお一人)でしたが、経営学などの分野も今後は進学先の選択に入れてもよいかと思います。職員が学ぶべきマネジメントの発想、マネジャーとしての役割などは、高等教育の大学院だけでは学べないと思いますので、その点については今後の大学職員の高度専門職養成のあり方にも一定の示唆を与えうるものかと思います。こちらの詳細は拙ブログの過去記事をご参照下さい。*7
なお、上記にまとめた内容はあくまでも一部です。他の大学職員ブログでも記事にされている方がいますので、そちらも是非ご参照下さい。*8 *9 *10


2.研究・事例研究発表1「大学職員の研修(SD)の必要性と効果検証−テーマパークの事例を参考に−」昭和女子大学 松丸 英治 氏

  • 発表の目的
    • 学生時代に某テーマパークでアルバイトした際、非常に充実した研修制度があった。その反面、大学職員になってからは研修制度の未整備さに驚き、以来、研修に関心を持って、過去にも大学行政管理学会で発表してきた。
    • 現在、中央教育審議会の大学教育部会にて、「高度の専門性を有する職種や、事務職員等の経営参画能力を向上させるため(中略)」と指摘している。FDは大学設置基準上で規定されているが、今後はSDについても義務化される可能性がある。
  • テイラー、アレンによる効果検証を前提とした研修制度。
    • 既にSDを実施している大学は全体の83%に達しているが、内容面での不満などが寄せられている。ひとつの参考として、経営参画能力の向上などが挙げられているが、体系的な研修を実施している大学は少ない(早稲田大学立教大学など)
  • なぜ人材育成をするのか
    • 「組織は戦略に従う」チャンドラー
    • 「構造は戦略に従う。組織構造は組織が目的を達成するための手段である」ドラッカー
    • 必要な人数・スペックの設定が必要なのだが、現実は「既存人材の配置」に留まっている。「大学職員のSDの必要性と課題」(岩崎保道)
    • MBAは会社を滅ぼす」ミンツバーグ
      • 「教室でマネージャーはつくれないが、すでにマネージャーの職に就いている人は教室で成長できる」
    • 某テーマパークの研修方法を参考に、新任教員研修プログラムを開発した大学がある。「モントリート・カレッジ」
    • ディメンションズ(エグゼクティブ対象の研修)
    • SDを行う以上は効果検証が必須ではないか。まず、SDをやる前に「大学として必要な組織能力を把握」し、「所属員の能力の把握」を行い、「必要な人材と能力の把握」をした上で、「SD(研修)」を行うことで効果検証に繋がる。大学側が成長させてくれる訳ではない。

某テーマパークの研修手法から、大学職員の研修に焦点を当てた発表です。中教審で現在議論されているSDの義務化に際し、どのようにして効果的なSDを行うのか、またSDが機能するための仕組みづくりを行うことで効果検証を行うことができるという指摘でした。発表の中で興味を引かれたのはテーマパークでの研修手法をFDに取り入れた大学があるということでした。ノースカロライナ州のモントリート・カレッジがそのようですので、こちらについても引き続き情報収集してみたいと思ったところです。SDの効果検証のお話も印象的でした。実際にSDの効果検証をしている大学はあるんでしょうか?私は寡聞して知りませんが、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示いただければ幸いです。


3.研究・事例研究発表2「大学職員のメンタルヘルス研究の現状と展望」立教大学 松木 敦志 氏

  • 発表概要
    • 大学職員のメンタルヘルス研究の現状の共有
    • 同研究の今後の必要性についての共有
    • 自分や同僚のメンタルヘルス、または職場の環境について関心を持ってもらう。
    • 内発的理由として、大学職員のメンタルヘルスが悪化しているのではないかという仮説。
    • 外発的理由として、厚生労働省のストレスチェック義務化。
  • メンタルヘルスに関する研究の到達点(先行研究)
    • 先行研究を踏まえると、大学職員の精神健康状態は決して良好とは言えない。その結果を含めて、どのようなアクションを起こせば良いのか。
  • 不足している研究知見
    • 何がストレス源(またはメンタルヘルス影響要因)か?
    • 特徴的なストレス反応はどんなものがあるのか?
    • ストレスを抑制・促進する要因(要因 AtoZ)は?
    • 要因AtoZは個人の属性によって異なるのか?
  • 研究主題
    • 大学職員のストレス構造を明らかにする
    • ストレス反応を規定する要因を明らかにする
    • ストレスを抑制・促進する要因を明らかにする
  • 調査の結果
    • 20代の職員が最もストレス要因を受けやすく、50代の職員が一番ストレス要因が少ない。
    • 「職場の将来への不安」がストレス促進要因として、最も高い。その反面、愛着的愛校心はストレスを抑制する。
    • ストレスマネジメント研修の効果の測定と分析を行うべきではないか。
  • 質疑応答
    • 各大学での職場でのストレスチェックについて、衛生委員会や衛生管理者などに対する研修を行うべきなのか、一般職も含めた全ての人に研修を実施すべきなのか。
    • ストレスは、対処を放置するとどんどん負担が高まっている。何か嫌な事があった時に、対処方法を知っていることが重要であると思う。

大学職員のメンタルヘルスに関する研究は、いくつかの先行研究はありますが、まだまだ研究が深まっていない分野だと思います。*11しかしながら、大学を巡る環境の激変に対応して、大学職員のメンタルヘルスがどのように変化しているかを明らかにしようという本研究の試みは、今後の研究進展に大きな一石を投じるのではないか?と個人的に期待しているところです。今後も研究を継続されるということでしたので、研究結果の進捗状況についてフォローしていきたいと思える発表でした。


4.研究・事例研究発表3「大学を取り巻く各種データに対する統計的分析手法の適用とその課題」日本大学医学部 烏山 芳織 氏

  • 研究の背景と目的
    • 大学内情報を統計データとして分析的に扱う場面の増加
      • 大学における評価・経営等に関する調査・分析(IR・大学ポートレート
      • 関連データベースの整備と公開(大学に関するデータを用途に応じて統計的な分析が可能に)
    • 統計解析ソフトの進展(SPSS
      • 大学職員においても業務の中で数値データを扱う環境となりつつある?統計的分析の利用と機会も広がってきている?適切な方法での統計処理・分析が望まれる。
  • 研究課題
    • 大学に関する各種データにおける統計的分析手法の適用に着目して、かかる課題や問題点とその対処方法について検討する事
    • 大学を取り巻く各種データ
      • 大学内情報・大学外情報
      • 公開データ・非公開データ
      • 集計データ・非集計データ
      • 統計調査に関するデータ
    • 扱うデータ毎に適切な方法での処理が必要
      • 統計的分析手法の種類
      • 合計、平均、割合、比率(簡単)
      • 相関分析、回帰分析(普通)
      • 検定(まあまあ普通)
      • 多変量解析
      • 重回帰分析、因子分析、主成分分析、クラスター分析など
      • モデリング、プログラミング
      • 線形計画法などなど
  • 統計的分析に係る環境
    • 大学職員においても、統計解析ソフトが広まってきたことの影響でできるようになってきた。その場合、データを正しく扱えているかどうか怪しい場合もある
  • 現実的にデータを統計的に分析する場合
    • 大学教員に相談しながら、というのが一番早い
    • 自学自習は正直、時間もかかるので教員の助けを借りながらやるのが良い
    • 多くの大学職員は、多かれ少なかれ近しい大学教員からアドバイスを受けながら統計的分析を進めていけるのではないか。
      • 当該大学教員が専門とする専門分野での慣例に依存しやすくなる傾向があるのではないか。
      • その点を考慮すると、職員向けの統計的分析能力は大切なのでは?統計的分析に関しても、様々な学問領域の教員毎にやっているのでは。知らない間に、結果として誤った分析方法の選択、十分な説明量がない統計モデルということに陥っていることもある。
    • 統計リテラシー統計学的背景を持たない者が、業務上の要請や自己の研究に必要なため統計解析ソフトに基づいているので、正しい統計知識で検証が必要
    • 統計的分析手法でも、大学行政管理学会の発表においても、様々な手法のアプローチが出てきている。
  • 大学行政管理学会で発表する場合、どの程度の統計処理レベルや分析方法が適切なのか?
    • 特定の学問分野に準じるか?教育学、社会学、心理学、経済学?
    • 統計的分析手法を用いた発表に関する定義
    • JUAMにおいても、統計スキル向上のための研修会・勉強会・ワークショップなどが必要な段階にあると考えられる。統計スキルアップや統計分析の必要性に関する知識など
    • 今後、大学職員が統計分析を行うことが増えるならば「統計スキル向上のための研修会・勉強会・ワークショップを企画実施」が必要ではないか。

ワークショップによる人的ネットワーク形成などに関しては、なかなか面白い提案ではないかと思います。個人的に気になったのは、統計的な理論背景を理解しない状況で分析する事は怖いということです。これは正しいと言えます。
統計に関する公的検定試験としては、日本統計学会が実施している「統計検定」*12がありますので、求められるレベルの試験に合格できるだけの基礎知識を付ける事が大切ではないかと思います。また、入門者向けの講座として私がオススメなのは、NTTドコモが運営するgaccoにて日本統計学会が提供する「統計学Ⅰデータ分析の基礎」*13総務省統計局統計研修所が提供する「社会人のためのデータサイエンス入門」*14です。私自身、統計に関する知識は持っていませんでしたが、IR関係の仕事をするようになって最低限の知識は必要であることから、両方の講座を受講し、修了しました。

事例研究発表は全部で4グループに分かれているのですが、今回は自分自身も発表をチャレンジしようと思いまして、他の方の発表を聞くことができなかったのが心残りです。今回の研究集会を通じて、色々な課題なども浮き彫りになったかと思います。是非継続してこのことに関する議論を積み重ねていくことを望みたいです。そのためにもソーシャルメディア等のツールを上手に活用していければいいのではないかと思います。

*1:平成27年度第19回大学行政管理学会定期総会・研究集会に参加しました(1日目) http://d.hatena.ne.jp/high190/20150908

*2:大学行政管理学会第19回定期総会・研究集会 http://togetter.com/li/873455

*3:梅澤貴典「大学職員が社会人大学院で学ぶ意義とは?」 http://www.slideshare.net/takanoriumezawa/ss-43688505

*4:梅澤貴典「誰でもできる!知的生産のための図書館&公的データベース活用法」 http://www.slideshare.net/takanoriumezawa/ss-37392161

*5:梅澤貴典・大学職員のための情報収集法 http://www.slideshare.net/takanoriumezawa/ss-35032215

*6:集団凝集性(グロービス経営大学院MBA用語集) http://gms.globis.co.jp/dic/00693.php

*7:東京大学大学院教育学研究科大学経営・政策コース設立10周年記念シンポジウム「大学経営・政策人材と大学院教育」に参加してきました http://d.hatena.ne.jp/high190/20150403

*8:大学職員の枠からはみ出た人たち−大学院進学をめぐる議論から(Curation) http://setapapa.net/20150920/

*9:大学職員と大学院〜SD・SD・PD〜(大学アドミニストレーターを目指す大学職員のブログ) http://as-daigaku23.hateblo.jp/entry/2015/09/07/180000

*10: (2015.9.6) 大学行政管理学会 分科会 大学院進学(システム担当ライブラリアンの日記) http://blog.goo.ne.jp/kuboyan_at_pitt/e/287a87091b6095c4553a99fd34e29d83

*11:大学職員独自のワークモチベーションとメンタルヘルスに関する研究を調べてみる http://d.hatena.ne.jp/high190/20131113

*12:http://www.toukei-kentei.jp/

*13:https://lms.gacco.org/courses/gacco/ga014/2014_11/about

*14:データサイエンス・オンライン講座「社会人のためのデータサイエンス入門」 http://gacco.org/stat-japan/

平成27年度第19回大学行政管理学会定期総会・研究集会に参加しました(1日目)

high190です。

9月5日(土)、6日(日)の2日間、大阪の関西大学千里山キャンパスで開催された大学行政管理学会の定期総会・研究集会に参加しました。今年の全体テーマは、「未来の社会を元気にするために大学ができること」です。全2日間のプログラムで、1日目は定期総会、基調講演、懇親会が開催され、2日目はワークショップ、研究・事例研究発表が行われました。今回もhigh190が参加したセッションについて、所感をまとめてみました。内容が多いので今日は1日目のプログラムに関してのまとめです。理解違いなどがある可能性がありますので、悪しからずご了承下さい。昨年度以前の参加記録もお知らせしておきます。*1 *2 *3 *4

第19回定期総会・研究集会(出典:大学行政管理学会Webサイト)

1.開催校理事長講演「この伝統を、超える未来を。〜関西大学 創立130周年〜」(学校法人関西大学 理事長・池内啓三氏)

  • 関西大学の歴史、1886年に関西法律学校が創立。創立者「児島惟謙」の紹介。現在では13の学部・研究科、幼児教育、初等中等教育の付属校を要する。教育の対象者数は約35,000人。
  • 中興の祖、山岡順太郎(総理事、第11大学長)
    • 学是:「学の実化(じつげ)」
      • 学理と実際との調和
      • 国際的精神の涵養
      • 外国語教育の必要
      • 体育の奨励。
    • 現理事長は事務職員出身。職員として大学紛争を経験。職員としては学生支援、就職支援などを中心に経験し、最終的には総務局長を務めた。その後、理事として理事長のサポートをするとともに、幼稚園長なども務めた。
    • 大学時報に書いた記事。2013年1月。ずいそう「事務職員今昔」*5
      • 単純作業に明け暮れ
      • 求められる高い能力や人間性
      • 人事制度改革
      • 真の教職協働を目指して
  • 取り組んだ仕事の紹介
    • 日本能率協会と協働で人事制度を改革。事務職員の意識改革の先鞭をつける。
    • 大学教育職員定年延長制度改革。教員組合と3年間の協議を経て妥結。その他、早期退職制度や再雇用制度などを導入して、ST比の改善を行う事が出来た。*6
    • 学納金訴訟の対応を行い、3月末日までに入学辞退した者には授業料を返還するように命じる判決。大学経営に大きな影響を与えるものだった。*7 *8
    • 長期ビジョンの作成
      • 5つの柱を作る
      • ゴーイングコンサーンとしての学園
        • 教育改革
        • 研究改革
        • 社会連携・生涯学習計画
        • 国際化
        • 学生支援改革
        • 大学入試改革
        • 併設校の教育改革
        • 組織・運営基盤の構築
    • 長期ビジョンに関しては、PDCAサイクルを回す。5年間で中間評価を行い、見直しを行って改訂版を作成する。関西大学2010プロジェクト推進体制図。大阪医科大学大阪薬科大学との協働学部設置については設置基準上の要件を満たすための調整が難航し、残念ながら頓挫。
  • 130周年記念事業の大要。
    • 千里山キャンパスに新たなアクセスエリアの創出
    • 関西大学グローバルフロンティアプログラム」の開発・提供による”次世代グローバルリーダー”の育成
    • 関西大学イノベーション創生センター
    • 天六キャンパスの閉鎖。梅田駅近くで新たに社会人教育の拠点を作る。
  • 大学行政管理学会に期待する事
    • 大学職員は将来有望な職種であると思っている。大学行政管理学会の研究集会も19回を数え、職員の地位向上にも繋がった。中長期計画があり、単年度の事業計画が構築できていれば、やることは明確になる。また、事務職員の役割として、教育職員(教員)をどれだけ動かす事が出来るかがポイントである。新卒職員に対しては、ジェネラリストとして、きらりと光るスペシャリティを持つ事。

事務職員出身の理事長として、職員に求められる役割が変化してきたことを分かりやすい形で説明されるとともに、中長期計画を策定して大学経営を行うことの重要性など、現在多くの大学が取り組んでいる事例などのお話でした。個人的には、過去にブログで取り上げられた教員の定年延長制度改革のお話は興味深く聞かせていただきました。最後にJUAMへの期待が述べられていましたが、私も大学職員は将来有望な職種だと思います。そのために個々の職員が能力開発を積極的に行い、あわせてスペシャリティを持った職員が能力を発揮できる人事制度の構築に向けた検討を、大学行政管理学会が主導して行っていくことが今後の課題ではないかと感じました。

2.基調講演「笑いは百薬の長」関西大学人間健康学部長・教授 森下伸也氏

  • 笑ってくれる会場とそうでない会場は明確に異なる。女性の会場の方が笑い、男性が多い会場は笑わない傾向がある。日本の古典芸能としては狂言がある。これは古典のコメディーなので、こういうものがあることは日本人はもっと誇りに思っていい。”狂言笑い”腹式呼吸で笑うので、呼吸が回る。
  • また、大阪には文楽という古典芸能がある。文楽はひとつの人形に3名がついて動かす。操り手、語り手、音楽隊(三味線)の三位一体で作り上げる。文楽では「笑いに3年、泣き3月」と言われる。それだけ、笑いの方が難しい。
  • 生き写し、朝顔、笑い薬の段
  • 文楽の場合は、狂言笑いと異なる。大学生に「やれ」というと「羞恥心」があるからやらないパターンである。
  • 日本笑い学会・会長」
    • 誰でも入る事ができるが、芸人、メディア関係者、教育者、広告業界関係者などがいるが、一番多いのは医療業界である。医者で”落ち研”出身者は多い。また、医師と同じぐらい多いのは看護師である。薬剤師なども加えると医療関係者が一番大きい。

医学には”ユーモア療法”というものがあり、健康増進・病気の療養などに役立てている事例がある。そのお話をしたい。

    • 元々、ユーモアという言葉は医学の専門用語である。意味は笑いの元、気質、(古義、大体2000年前ぐらい)では体液を意味する。ユーモア療法の歴史だが、1964年に始まった。ちょうど東京オリンピックが開催された年である。オリンピックは10月10日に始まり、10月1日には東海道新幹線が開通した。
    • その反面、世界的には冷戦の時代であり、キューバ危機などがあった。ノーマン・カズンズというジャーナリスト・平和運動家が始めた。キューバ危機でケネディの特使としてソ連のフルシチョフと交渉した人物である。体調不良を訴えて、医者に駆け込んだところ「膠原病」と診断された。治療方法は現在でも確立しておらず、対症療法しかない難病である。その中でも特に回復が見込まれない症状であると言われた。入院してほどなく、ある本を読んだ。その本には「ストレス」という言葉が書かれており、ハンス・セリエという医師が書いていたが、その本には「ネガティブな感情でいると、関節の病気にかかりやすい」と書かれてあった。カズンズは「では、ポジティブな気持ちでいられれば、痛みが和らぐのではないか」と考えた。通常な治療は継続しながら、ネガティブな感情(食事、病院内での知人関係(男性、女性で異なる))を誘発させられるとの思いから、病院を引き払い、ホテルを1室借りる事にした。(ちなみに東京では1日滞在費が30万円の病室がある)
    • 病院で多いのは「病気自慢」である。重たい病気の方が尊敬される倒錯した価値観である。そういう意味でも病因自体がネガティブな環境であろう。スティーブ・ジョブズの例。ガンで亡くなったが、スタンフォード大学の卒業式でのスピーチを行ったが、"Stay Hungry, Stay Foolish"と言った。意味を考えると愚直であることを説いた。
  • 「災害は忘れた頃にやってくる」
    • 「科学者は頭が悪くなければならない」物理学者・寺田寅彦の言葉(夏目漱石との繋がりがある)
    • 「細胞の初期化」iPS細胞の山中伸哉
    • ノーマン・カズンズは、笑うために友人のテレビのディレクターに頼み、コメディー番組の編集してもらったものを見て、極力笑うように務めた。それを繰り返すうちに、徐々に痛みが取れてきた。その結果を医師に伝えたところ、細胞の一部を顕微鏡で見る事になったが、結果として徐々に痛みが減っていき、元の生活に戻る事ができた。そして、仕事に戻っていくが、発病から5年後には完治してしまった。そして、ジャーナリストの特性を生かして「闘病記」を書いてみたところ、大変な反響があった。
    • ノーマン・カズンズの書籍を受けて、笑いを治療に活かそうという医師が現れた。"パッチ・アダムズ(映画にもなった)"ロビン・ウィリアムズが演じている。当のロビン・ウィリアムズ鬱病になって自殺してしまっている。そのことも因果があると感じられる。
    • 病院の道化師(”ピエロ”は和製英語=クラウン)が欧米ではいない病院を探すことの方が難しい。
    • インドではヨガと笑いを融合させた取組も出てきた。ラフター・ヨガ。
    • 日本人の死因の一番はガンであり、3人に1人がガンで亡くなっている。笑いはがんに効くということ。交通事故などの突発的な事象は、”生きている間にやってみたいこと”をできない。その点からするとガンは時間はあるので、死に方としては悪くない。

ガンのポジティブな呼び方として”ポン”を日本笑い学会で考えた。人間の細胞は1日に1兆死んで、新しく1兆生まれるが、そのうちガン細胞は5000ほど生まれてくる。その反面、NK細胞を作り出して対応しているが、その力が弱くなってくるとガンになる。笑いはNK細胞を強化する効果があり、医学的にも実証されていることである。

  • 薬と笑いには3つの違いがある。即効性、経済性、副作用が無い。笑うとコルチゾールという物質が出て、ストレスを緩和してくれる。笑うと脳波にも変化がある。α波とβ波が出る。休息と元気によって人間は生活しているが、そのリズムを笑いがもたらしてくれる。また、脳血流を良くするということにも繋がりがある。

健康と笑いの関連性ということで、開催校の関西大学人間健康学部長・教授の森下伸也氏による講演でした。笑いの中に学問的な観点を入れながら、会場も巻き込んだ"アクティブ・ラーニング"の講演で圧巻でした。私自身も大学職員のメンタルヘルスについての関心があり、以前にそういった記事も書いたことがあります。*9能率・クオリティ面でも高いアウトプットを出すためにも、心身の健康が重要であることは言うまでもないことですが、笑いの面から健康を考えるという、とても楽しい基調講演でした。また、スティーブ・ジョブズスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチが話題になっていましたが、動画は公開されているので、こちらでもお知らせします。

3.ワークショップ「大学のガバナンス(改正学校教育法施行後の教授会等の教学組織における会議運営及び学長の校務の範囲について)」

  • 改正学校教育法に基づく学長までの意思決定手続について
    • 入試判定の判定結果などについて、学長の承認を取りにくいような場面がある事から、審議事項が報告事項になったということはない。
    • 学事研究会でも同様の議論になったが、代議員制(学校教育法施行規則第143条)の活用などによって、スピーディな意思決定が行えるとの意見もあった。
    • 入試の場合は、最終の決定権者は学長である事から、副学長を置いている大学に関しては、事前の学長が校務上の権限を委任すれば、副学長の決定でも可とできる。ある意味において、国立大学法人のガバナンスを見ると、理事長・学長が兼務されていることから、私立大学よりもリーダーシップが発揮しやすい面もある。
  • 改正学校教育法に伴う学内運営上の主な変更点について
    • 教授会議事録に関する変化など、以前は「教授会が決定した」という表現の大学もあったと聞いているが、「教授会が承認した」などの文言を使う事に改めた大学もある。議事録の扱いは変えないが、学長裁定で教授会議事録の位置づけを明確にした大学もある。
  • 学長のあり方について
    • 学長選考のあり方について、選挙制度と指名制度のメリット・デメリットがあること、政治と経営の意思決定の対比から、大学における経営のあり方についての討議を行った。また、私立大学の学長は、理事会と教授会の調整者として(ある意味で「課長補佐」のような中間管理職的な役割)
    • (参加者意見)民間企業から転職してきた時には、学長選挙などは普通あり得ないと思っていたが、学校法人で働くにつれて、株式会社の場合は株主総会によって、社長が罷免される例もあるが、私立学校の場合には所有者不在の状況もあり得るので、選挙で選ばれることもあり得るのではないかと思っている。
    • 私立大学の学長においては、自分がやりたい施策を踏まえつつ、理事会の意向を尊重できる人物ではないか。以前は学部長は選挙で決めていたが、法改正を受けて学長指名に切り替えた。ただ、教授会は自らの意思を示すために、教授会でも学部長候補を選考していた。
  • 学長以外に、副学長、学長補佐を置くことによって対応しているが、そういった教学役職者の選任にあたって、職員にも選挙権を与えている大学はあるのか?
    • 学長選挙において、課長以上の職員に投票権があるケース、全職員に投票権があるケースなどがある。
    • 大学の運営形態を考えると「選挙」という形式が成り立ち得るか?
    • 諸外国においては理事会が決定するパターンが多い。選挙全てがけしからんということはないが、「施策の方策」「業績評価」など、アカウンタビリティの観点で選挙は問題があると思う。
    • 学長の評価という観点では、私立大学では機関別認証評価は学長に対する評価と考えられるので、任期を7年で設定するなどのこともできるかと思う。
    • 東北大学の学長選考については、経営協議会・教育研究評議会・推薦という形態を取っているので、バランスが取れていると思われる。
    • 例えば、当該大学にとって「改革を実施したい」と思う大学において、選挙よって選ばれた学長では、理事会が思う改革を進められないのではないかと思う。そういう点で選考委員会方式と選挙方式の両面を取り入れていくのがいいのではないかと思う。
  • 理事長、学長の職務権限を定めている大学はあるか?
    • ある大学のケースでは、寄附行為施行細則という形で職務権限を明確に定めているケースがある。
  • 他組織のガバナンスと学校法人ガバナンスの比較について
    • 私立学校における理事会は「自己チェック型」なので、性善説に立った上での運営形態となっている。
    • 学長と現場がいかにコミュニケーションを取れるか、という点がガバナンスには大きな影響があるのではないかと思う。国立大学法人においては、運営交付金の削減分を学長裁量経費に組み入れるなどの措置も検討されている。
    • 株式会社でも学校法人でもオーナー型の運営形態はある。株式会社においては、会社の負債は株式という形で失われるので、オーナーも負担を被るが、私立学校においては所有者が存在しないことから、学校法人財産は学校法人が解散した場合、残余財産は国庫に入るが、経営者個人の資産には特に権限が及ばない。

学校教育法改正の関連から、大学のガバナンスを考えるきっかけがありまして、大学行政管理学会の学事研究会が主催する研究会などにも参加してきました。その延長として、今回も当該ワークショップに参加しました。法改正後に大学内での意思決定プロセスなどに変化があったかなど、自らの興味関心もありましたので、参加しました。とても月並みな言葉ですが、対応状況は大学毎に大きく異なるように感じまして、法改正の趣旨をどのように理解し、学長のリーダーシップ体制を整備してスピーディな意思決定に繋げているかの差が出ているようにも感じられました。

ワークショップの後は懇親会に参加し、関西方面の大学職員の友人と旧交を温めました。懇親会でもIRの実践事例などのお話を聞けて有意義でした。次回は2日目のプログラム報告を掲載します。

*1:平成24年度第16回大学行政管理学会定期総会・研究集会に参加しました http://d.hatena.ne.jp/high190/20120911

*2:平成25年度第17回大学行政管理学会定期総会・研究集会に参加しました http://d.hatena.ne.jp/high190/20130909

*3:平成26年度第18回大学行政管理学会定期総会・研究集会に参加しました(1日目) http://d.hatena.ne.jp/high190/20140911

*4:平成26年度第18回大学行政管理学会定期総会・研究集会に参加しました(2日目) http://d.hatena.ne.jp/high190/20140916

*5:大学時報第348号(2013年1月発行) http://www.shidairen.or.jp/activities/daigakujihou/index_list/no348

*6:関西大学が教授の定年延長制度を5年から2年に短縮 http://d.hatena.ne.jp/high190/20080603

*7:不当利得返還請求事件(最高裁判例) http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=33837

*8:大学に対する入学辞退者による学納金返還請求(独立行政法人国民生活センターhttp://www.kokusen.go.jp/hanrei/data/200706.html

*9:大学職員独自のワークモチベーションとメンタルヘルスに関する研究を調べてみる http://d.hatena.ne.jp/high190/20131113